農業用水に対する疑問について

水不足による取水制限や断水が毎年のように繰り返されています。毎日の暮らしや学校、会社、病院など都市活動で使う生活用水が、不足しがちな近頃、農業用水についてもさまざまな疑問が寄せられています。

たとえば・・・・・・・・・

Q1.農業用水は、循環してムダなく利用されていると聞きましたが?

A.農業用水は降雨を有効に利用し、不足分だけを取水しています。また、消費されるのは、蒸発散分だけで取水量全体の約2割に過ぎません。大部分は使用後、川へ戻ったり、地下水になったりして下流で再利用されることとなります。さらに循環の間に酸素を取り込んだり、ろ過されたりして浄化されるのも農業用水の特徴です。

Q2.農村の都市化が進み、農地が減っていますが、なぜ農業用水の必要水量は減らないのですか?

A.確かに農地は減っています。しかし、宅地化は虫食い的(スプロール的)に広がることが多く、残存農地に適切に水が届くようにするためには、今まで通りに用水路の水位を保つ必要があります。また、水田のほ場整備による排水改良などにより、単位面積当たりの必要水量は増加の傾向にあります。 このような理由で、農地の減少は直ちに必要水量の減少につながりませんが、農業用水路をパイプライン化するなどにより必要水量減少に努めています。

Q3.慣行水利権による農業用水は、必要以上に取水されていませんか?

A.慣行水利権による農業用水は、長年にわたる幾多の水争いや話し合いを経て、地域で形成された取水ルール(ぎりぎりの水配分)に基づき、合理的に取水されています。 また、かんがいだけの利用ではなく親水や防火など地域用水としても利用されています。

Q4.水不足の時に、農業用水の一部を生活用水に充てていただけませんか?

A.農業用水の不足は、農家にとっても死活問題ですが、水不足時は番水(時間や順番を決めて配水する方法)などで節水につとめ、上水道への協力を行っています。しかし、これらの作業が農家の方々には、大変な苦労と負担になることを忘れてはなりません。

・・・・など、疑問も多いようです。
水への関心が高まっている時代。農業用水についてより広く、深く学んでみたいと思います。自然界の驚くべき働きや力、知恵と努力で「農業用水」と取り組んできた、農家の長い歴史の積み重ねが見えてきます。